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会長からのメッセージ
エコマテリアル・フォーラム 会長
独立行政法人 物質・材料研究機構
材料信頼性萌芽ラボ長
原 田 幸 明 |
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21世紀もその最初の十年がすぐ目前に近づいて来ています。
前世紀の最後の十年に急速に進みはじめた地球温暖化対策などの地球環境間題に対する取り組みは今や日常的な課題となってきています。
エコマテリアルフォーラムの前身であるエコマテリアル研究会が産声をあげたのはその1990年代のはじめでした。
当時は「エコ」や環境配慮などと言ってもあまり理解されず、「環境という耳なれない言葉で人を誑かすエゴマテリアルだ」とか「環境は経済に相対立するものだ」
などとの批判をよく受けたものです。なかには「エコマテリアルでは売れないから『コ』
の左に縦棒を付けたらよく売れるなどと的外れなアドバイスをもらったことさえあります。
それから見ると、現在は大きな変化が起きています。TVでも新聞でも環境広告が随所に見られ、子供達もいまや”生産”より”環境”
のほうに強く関心をひかれるという状況になってきています。企業においても十年前はマイナーな存在であった環境配慮の製品や素材が大きく注目され、
各社の環境報告書や社会的責任報告書の中でも積極的に取り上げられるようになりました。そして、政府もCool Erath 50の提唱以来、
与野党をとわず率先して地球温暖化対策に乗り出す姿勢を示し、経済危機にあたってはその活力再生にグリーン・ニューディールを掲げるようになってきています。
しかし、このような状況は手放しでは喜べません。十年前はただ「環境配慮」することさえ目新しかった領域で、具体的な環境改善の「効果」が求められ、
さらには高い目標の「達成」が期待されるようになっています。はたして目標を「達成」するまでの技術的・システム的基盤を私たちが準備できているのか、
それが不十分なままで取り組むことが自己目的化すると「環境という耳触りのよい言葉で人を誑かすエゴ」になるのではないか、
と懸念する声もちらほら聞かれるようになってきています。
このような状況の中で、今、エコマテリアルが本当に社会的存在として問われる段階に入ってきているといえます。
これまでは、どこか「エコ」の要素があるとエコマテリアルとして主張できました。
しかし、これからは、社会全体の環境改善に実質的に貢献できるものが求められています。
しかも、それは、個別問題の改善ばかりではなく社会全体での技術変革につながっていくようなものが求められているのです。
それはあたかも150前に「鉄」を「鉄鋼」に変えた時のような変革、100年前にプラスチックとアルミニウムが木板にとって代わったような変革です。
これらは輸送機械、産業機械を大きく変え、ヒトの生活パターンさえも変えてしまいました。本格的にグリーン・ニューディールを進めるならば、
このような素材感の転換を意識した取組が求められているのではないでしょうか。
初代山本良一会長の時代はまさにパイオニアの時代でした。
先の土肥会長の時代は「エコマテリアルとは何か」ということを問い続けつつ、エコマテリアルが社会に普及していく時代でした。
それを引き継ぐ次の時代として、どのような答えを出すか、皆さんと共に進んで行きたいと思っています。
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